~伯州紙(仮名)、表彰状になる!の巻~
こんにちは!
仲里です。
もう12月の半ばになりましたね。
伯州綿の収穫もそろそろ、終わりに近づいてきています。
今回は伯州綿の木からできる「紙」について紹介したいと思います。
伯州綿は綿(わた)として大いに利用価値がありますが、綿木からは紙も作れてしまうんです。
その名も伯州紙(仮名)!

境港市では、この「伯州紙」を利用した取り組みが行なわれています! (^.^)/
唐突ですが、まずはこちらの写真を。

こちらは、先月に境港市で行われた「第59回 境港市表彰式典」の様子です。
「あれ?、伯州紙の紹介じゃないの?」
そうです、伯州紙の紹介です。 !(^^)!
実はこの式典の中で、伯州紙が使われているんです!

ブログのタイトルでネタバレ状態ですが、
『表彰状』として伯州紙が利用されているんです!
このたびは、ダイヤモンド婚、金婚の『表彰状』として贈呈されました。
まさか、伯州綿の木で「紙」ができるとは。

「なぜ、紙?」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
それでは、少々『伯州紙』について、説明をさせてください。
皆さんご存知のように、伯州綿を栽培する目的は『綿の収穫』にありますよね。
しかし、歴史的にみると綿という植物の栽培は、『綿の収穫』以外にも、色々な目的があったようです。

『鳥取県の綿花』という書物によりますと、綿という植物からは様々なものが生産されていたとの記述があります。

この表によると、
『綿』からは、中入れ綿や糸ができ、
『種』からは、油や、肥料ができ、
『綿の茎』からは、紙ができる。
少し例を挙げるだけでもこんなに、多くのものに利用されていたとは、驚きです!
昔の人々にとっては、綿という植物は生活に欠かせないものだったんですね。

ちなみに、伯州紙のアップはこのような感じです。
表面は、程よい凹凸があり、ところどこに綿木の繊維が見え隠れしています。
個人的感想ですが、「原料むき出し!」といった感じで、独特な質感がとても魅了的です。
この伯州紙で、お手紙をもらえたら、ほっこりとした気分になりそうですね。

さて実際、この『伯州紙』はどのように作られているんでしょうか?
ちょっと見ていきましょう!
先月、行われた”てぬぐいひらひら”というイベントでは、「紙漉きデモンストレーション」というものを行いました。
そのイベントにいらした方は、もう体験されているかもしれませんが、是非お付き合い願います 。m(__)m

紙作りの工程を簡単に説明しますと、
①伯州綿の綿木を粉砕してパルプ状にする。
②その原料と水と糊を混ぜ合わせて、紙漉きの要領で型に流し込む。
③その後、水分を飛ばし、乾かす。
といった具合です。
この度は、伯州紙ができるまでの工程を写真を交えて、紹介したいと思います。
では行ってみましょう!
このような道具を使い、『伯州紙』を作っていきます。

・まずは、伯州紙の素を作っていきましょう!最初に、型の大きさと素紙の量を決めます。これで仕上がった時の、紙の厚さが決まります。
紙の原料を「素紙(そし)」と言います。(紙の素ということですね。)
今回は綿木だけではなく、通常、和紙に使われている原料である「楮(こうぞ)」も混ぜていきます。
楮(こうぞ)を少量混ぜることにより、紙の強度を上げることが出来ます。

・素紙を水に溶かし、塊がなくなるまで混ぜ合わせます。
この混ぜ具合によって、伯州紙の風合いが変わります。
それぞれ好みの風合いに調整します。
こちらは、綿木の「素紙」
(綿木を粉砕した状態)

(水に溶かした状態)

素紙にする前の状態。
(綿木)

こちらは、楮(こうぞ)の「素紙」
(水に溶かした状態)

素紙にする前の状態。
(楮)

それぞれの素紙の大きな違いは、木の繊維の長さです。
伯州綿の素紙は、パルプ状であるため短く、
楮(こうぞ)の素紙は、靭皮(植物の外皮の下にある柔らかな内皮)を使用しているため、長いです。
この二つを適度に混ぜ合わせることにより、「伯州紙」独特の風合いを保ち、強度を持たせることが出来るのです。
・素紙と水が混ざったら、次に液体糊を混ぜ合わせていきます。
この時に入れる糊の量は、紙漉きをする際、型枠から水が落ちる速度の調整や、仕上がった紙の強度に影響します。
糊が綺麗に混ざるよう、丁寧にかき混ぜていきます。
これで、伯州紙の素は完成です。

ここからが紙漉きの本番です。
・型枠の中に伯州紙の素を流し込んでいきます。
上下の型枠の間に薄いフィルターが挟んであります。

このフィルターが水のみを通すことにより、素紙が残り、伯州紙として出来上がっていきます。

型枠を左右に揺らし、素紙を平らにしていきます。この時の型枠を揺らす強弱は、少しコツが必要です。
フィルターから水が落ちるまで待ちます。
水の落ちる速度が早すぎると、素紙が平らにないので最初に混ぜた糊の量は、とても重要です。

水分が落ちたら、丁寧に型枠を外していきます。

次の工程では、更に強制的に水分を吸い取っていきます。
こちらは、綿の人「岩さん」が開発した装置です!
掃除機の吸引力を利用して、水分を強制的に吸い取る優れものです。
その名も「水取りゾウさん」です!
(名前は小学校の子供たちが考えてくれました!(^^)!)

この作業をすることにより、素紙が圧縮され、仕上がりの強度が増します。
そして水分がなくなることにより、早く乾燥することができます!

紙が乾く速度は、気温や湿度によって、大きく変わってきます。
後は、乾燥を待って出来上がりです!

このように、伯州綿は原綿を使用するだけではなく、綿木を利用して紙を作ることもできるのですね。
今後、伯州紙でどのようなものができるのか楽しみですね!

これから、どんどん冬が近づいてきます。
皆様、体調にはくれぐれも、お気を付け下さいね。
では、また!
フェイスブックも更新していますので、お見逃しなく!
境港地域おこし協力隊・伯州綿フェイスブック←こちらから
仲里です。
もう12月の半ばになりましたね。
伯州綿の収穫もそろそろ、終わりに近づいてきています。
今回は伯州綿の木からできる「紙」について紹介したいと思います。
伯州綿は綿(わた)として大いに利用価値がありますが、綿木からは紙も作れてしまうんです。
その名も伯州紙(仮名)!

境港市では、この「伯州紙」を利用した取り組みが行なわれています! (^.^)/
唐突ですが、まずはこちらの写真を。

こちらは、先月に境港市で行われた「第59回 境港市表彰式典」の様子です。
「あれ?、伯州紙の紹介じゃないの?」
そうです、伯州紙の紹介です。 !(^^)!
実はこの式典の中で、伯州紙が使われているんです!

ブログのタイトルでネタバレ状態ですが、
『表彰状』として伯州紙が利用されているんです!
このたびは、ダイヤモンド婚、金婚の『表彰状』として贈呈されました。
まさか、伯州綿の木で「紙」ができるとは。

「なぜ、紙?」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
それでは、少々『伯州紙』について、説明をさせてください。
皆さんご存知のように、伯州綿を栽培する目的は『綿の収穫』にありますよね。
しかし、歴史的にみると綿という植物の栽培は、『綿の収穫』以外にも、色々な目的があったようです。

『鳥取県の綿花』という書物によりますと、綿という植物からは様々なものが生産されていたとの記述があります。

この表によると、
『綿』からは、中入れ綿や糸ができ、
『種』からは、油や、肥料ができ、
『綿の茎』からは、紙ができる。
少し例を挙げるだけでもこんなに、多くのものに利用されていたとは、驚きです!
昔の人々にとっては、綿という植物は生活に欠かせないものだったんですね。

ちなみに、伯州紙のアップはこのような感じです。
表面は、程よい凹凸があり、ところどこに綿木の繊維が見え隠れしています。
個人的感想ですが、「原料むき出し!」といった感じで、独特な質感がとても魅了的です。
この伯州紙で、お手紙をもらえたら、ほっこりとした気分になりそうですね。

さて実際、この『伯州紙』はどのように作られているんでしょうか?
ちょっと見ていきましょう!
先月、行われた”てぬぐいひらひら”というイベントでは、「紙漉きデモンストレーション」というものを行いました。
そのイベントにいらした方は、もう体験されているかもしれませんが、是非お付き合い願います 。m(__)m

紙作りの工程を簡単に説明しますと、
①伯州綿の綿木を粉砕してパルプ状にする。
②その原料と水と糊を混ぜ合わせて、紙漉きの要領で型に流し込む。
③その後、水分を飛ばし、乾かす。
といった具合です。
この度は、伯州紙ができるまでの工程を写真を交えて、紹介したいと思います。
では行ってみましょう!
このような道具を使い、『伯州紙』を作っていきます。

・まずは、伯州紙の素を作っていきましょう!最初に、型の大きさと素紙の量を決めます。これで仕上がった時の、紙の厚さが決まります。
紙の原料を「素紙(そし)」と言います。(紙の素ということですね。)
今回は綿木だけではなく、通常、和紙に使われている原料である「楮(こうぞ)」も混ぜていきます。
楮(こうぞ)を少量混ぜることにより、紙の強度を上げることが出来ます。

・素紙を水に溶かし、塊がなくなるまで混ぜ合わせます。
この混ぜ具合によって、伯州紙の風合いが変わります。
それぞれ好みの風合いに調整します。
こちらは、綿木の「素紙」
(綿木を粉砕した状態)

(水に溶かした状態)

素紙にする前の状態。
(綿木)

こちらは、楮(こうぞ)の「素紙」
(水に溶かした状態)

素紙にする前の状態。
(楮)

それぞれの素紙の大きな違いは、木の繊維の長さです。
伯州綿の素紙は、パルプ状であるため短く、
楮(こうぞ)の素紙は、靭皮(植物の外皮の下にある柔らかな内皮)を使用しているため、長いです。
この二つを適度に混ぜ合わせることにより、「伯州紙」独特の風合いを保ち、強度を持たせることが出来るのです。
・素紙と水が混ざったら、次に液体糊を混ぜ合わせていきます。
この時に入れる糊の量は、紙漉きをする際、型枠から水が落ちる速度の調整や、仕上がった紙の強度に影響します。
糊が綺麗に混ざるよう、丁寧にかき混ぜていきます。
これで、伯州紙の素は完成です。

ここからが紙漉きの本番です。
・型枠の中に伯州紙の素を流し込んでいきます。
上下の型枠の間に薄いフィルターが挟んであります。

このフィルターが水のみを通すことにより、素紙が残り、伯州紙として出来上がっていきます。

型枠を左右に揺らし、素紙を平らにしていきます。この時の型枠を揺らす強弱は、少しコツが必要です。
フィルターから水が落ちるまで待ちます。
水の落ちる速度が早すぎると、素紙が平らにないので最初に混ぜた糊の量は、とても重要です。

水分が落ちたら、丁寧に型枠を外していきます。

次の工程では、更に強制的に水分を吸い取っていきます。
こちらは、綿の人「岩さん」が開発した装置です!
掃除機の吸引力を利用して、水分を強制的に吸い取る優れものです。
その名も「水取りゾウさん」です!
(名前は小学校の子供たちが考えてくれました!(^^)!)

この作業をすることにより、素紙が圧縮され、仕上がりの強度が増します。
そして水分がなくなることにより、早く乾燥することができます!

紙が乾く速度は、気温や湿度によって、大きく変わってきます。
後は、乾燥を待って出来上がりです!

このように、伯州綿は原綿を使用するだけではなく、綿木を利用して紙を作ることもできるのですね。
今後、伯州紙でどのようなものができるのか楽しみですね!

これから、どんどん冬が近づいてきます。
皆様、体調にはくれぐれも、お気を付け下さいね。
では、また!
フェイスブックも更新していますので、お見逃しなく!
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