ポンプ修理 ~ ヘルツベルクのレンズ ~ 綿井戸
こんにちは!
仲里です。
毎日、暑いですね。
今回は伯州綿のことではなく、伯州綿畑に関わることをご紹介いたします。
何かと言いますと・・・
畑に打ち込まれているポンプです。通称「ガチャポン」!
とてもレトロな雰囲気のポンプです。 スチームパンクがお好きな方は、気に入って頂けると思います。
なぜ、ブログの話題に挙げたのかと言いますと、伯州綿の畑のポンプの調子が悪くなり、レバーを上下させても地下水が出てこない状態になってしまいました。
今回は、その原因を探るべく、畑からポンプを抜き取り、修繕を行うという作業をしました。

そして、今回はちょっと長めです。 以下の三本立てです!
・ ポンプ修理 ~ 「ヘルツベルグのレンズ」 ~ 「綿井戸」(わたいど)
弓浜半島の綿作りとは、切り離せない内容でしたので、是非お付き合い願います。
では、行ってみましょう!

まずは、ポンプの本体を外し、地下にのびるパイプに沿って、掘っていきます。

<

1mほど掘ると、水がしみ出てきました。
パイプを抜きやすくするために、他の打ち込みから地下水汲み出し、土壌をゆるくして、一気にパイプを引き抜きます。

パイプを抜き出すと、こんなに長い!
およそ4m程はあるのではないでしょうか?

パイプの先には、このようなフィルターが付いていて、ポンプで汲み上げる際にゴミなどは、このフィルターでブロックされます。

パイプのジョイント部分から水が漏れている疑いがあったので、念入りにテーピングを施します。
疑わしい箇所は全てチェックが終了!!


これで、パイプの修繕は終わりです!
今度は、パイプを元の場所に打ち込んでいきます。
ここでも、上から水を流し込むことにより、地盤を緩くして、徐々にパイプを地下に埋めこんでいきます。

一番頂上はこんな感じです。
ここに地下水を流し込んで行きます。

別の打ち込みから汲み上げる地下水は、エンジンポンプを使います。

全貌はこんな感じです。
写真で見ると、なんだか大掛かりですね!
パイプは手で回しながら、地下に押し込むように、打ち込んでいきます。
「マンパワーと文明の利器との合わせ技」なのでしょうか・・・?

どんどんパイプが埋まっていき、もとの位置まで戻ってきました!


ここまで、打ち込めたら、後はポンプの本体を設置して行きます。

はい!
レバーを上下させると、地下水が湧き出てきました!
これをもって、ポンプの修理か完了です。
これにて、一件落着ですね!

まだ少しブログは続きます。
ここからが第二部です。
いきなりですが、 弓浜半島の地下水は「ヘルツベルクのレンズ」の原理で成り立っている!? です。
境港市を含む弓浜半島の畑には、必ずと言って良い程、ポンプが設置され地下水を汲み上げることができます。
なぜ、そんなに地下水が豊富なのか、以前から疑問に思っていました。

そこで、境港市の図書館に行って、調べてきました!
はい!到着しました。
ここは、境港市民の知識バンク、必ず何か良い情報があるはずです。

「弓浜半島の地下水について、何か資料はありますか?」という漠然とした問いかけをしました。
「こんな資料がありますよ。」と様々な情報を頂きました!
(図書館の方々にお世話になりました。有難うございました。)
そして、でてきたものが、「ヘルツベルクのレンズ」です。
「ヘルツベルクのレンズ」とは
海岸の地下水では、陸から海に向かって流出する淡水の層と、海から地中に侵入する塩水の層とが比重の関係で重なり合って均衡を保っている。
その境界面の深さは、淡水の比重と塩水の比重、海面から地下水面までの高さによって決定される。この関係を「ヘルツベルクの法則」という(『地学事典』)。

『新修 境港市史』からの引用です。↓
この法則に合致して、海岸地域や島に於いては、レンズ状に淡水の分布することが知られている。このレンズ状の淡水の分布状況がふつう「ヘルツベルクのレンズ」とよばれている。
美保湾と中海との海水に挟まれた弓ヶ浜の淡水層は「ヘルツベルクのレンズ」の形をなし、おおよそ次図の如き形を形成していると推測される。近い将来、具体的数値が判明していけば、レンズの形も場所ごとに明瞭になるものと期待されている。
↑ここまで引用です。
弓浜半島の地下水について、以下のように理解しました。
「弓浜半島の地下水は、流れているというものではなく、溜まっている。さらに地下水と海水は混ざることがなく、2つの層を成してる。」ということなのかなと。
誤解がありましたら、申し訳ございません。
その際は、是非ご教授願います‼

実はこの「ヘルツベルクのレンズ」による地下水は、昔から弓浜半島では綿作りに利用されていました。
それが「綿井戸」(わたいど)と呼ばれていた、綿畑に灌水を行うための溜め池です。

現在は、「綿井戸」がある畑を見つけることはできません。
この「綿井戸」が先ほど紹介した「ポンプ」での汲み上げに代わっていったのだと理解できますね。

「綿井戸」について少々↓
綿は乾燥を好む反面、生長期には水を要求する度合いが強いため、畑一枚ごとに「綿井戸」と呼ばれる池を掘り、朝の暗いうちから畑への灌水を行ったといわれています。
昔の言葉に「二百十日の昼までの花は棉になる。午後の花は綿にならぬ。」といって、八月の末までに少しでも多くの花を咲かせることが、綿の収穫量に大きく影響したようです。
そのため、綿畑への水やりは、夏の暑さの中でも欠かせない仕事であったそうです。
『境港市史』参照


このように弓浜半島は気候、水源に恵まれ、綿の栽培にとても適していた土地であったため、綿栽培の一大産地となることができたんだなぁと、改めて感じることができました。
少し歴史をひも解くと、どこかで現在と繋がっているんですね!
今回も、面倒な内容だったかもしれませんが、今後ともよろしくお願いいたします!
では、また!
フェイスブックも更新していますので、お見逃しなく!
境港地域おこし協力隊・伯州綿フェイスブック←こちらから
仲里です。
毎日、暑いですね。
今回は伯州綿のことではなく、伯州綿畑に関わることをご紹介いたします。
何かと言いますと・・・
畑に打ち込まれているポンプです。通称「ガチャポン」!
とてもレトロな雰囲気のポンプです。 スチームパンクがお好きな方は、気に入って頂けると思います。
なぜ、ブログの話題に挙げたのかと言いますと、伯州綿の畑のポンプの調子が悪くなり、レバーを上下させても地下水が出てこない状態になってしまいました。
今回は、その原因を探るべく、畑からポンプを抜き取り、修繕を行うという作業をしました。

そして、今回はちょっと長めです。 以下の三本立てです!
・ ポンプ修理 ~ 「ヘルツベルグのレンズ」 ~ 「綿井戸」(わたいど)
弓浜半島の綿作りとは、切り離せない内容でしたので、是非お付き合い願います。
では、行ってみましょう!

まずは、ポンプの本体を外し、地下にのびるパイプに沿って、掘っていきます。

<

1mほど掘ると、水がしみ出てきました。
パイプを抜きやすくするために、他の打ち込みから地下水汲み出し、土壌をゆるくして、一気にパイプを引き抜きます。

パイプを抜き出すと、こんなに長い!
およそ4m程はあるのではないでしょうか?

パイプの先には、このようなフィルターが付いていて、ポンプで汲み上げる際にゴミなどは、このフィルターでブロックされます。

パイプのジョイント部分から水が漏れている疑いがあったので、念入りにテーピングを施します。
疑わしい箇所は全てチェックが終了!!


これで、パイプの修繕は終わりです!
今度は、パイプを元の場所に打ち込んでいきます。
ここでも、上から水を流し込むことにより、地盤を緩くして、徐々にパイプを地下に埋めこんでいきます。

一番頂上はこんな感じです。
ここに地下水を流し込んで行きます。

別の打ち込みから汲み上げる地下水は、エンジンポンプを使います。

全貌はこんな感じです。
写真で見ると、なんだか大掛かりですね!
パイプは手で回しながら、地下に押し込むように、打ち込んでいきます。
「マンパワーと文明の利器との合わせ技」なのでしょうか・・・?

どんどんパイプが埋まっていき、もとの位置まで戻ってきました!


ここまで、打ち込めたら、後はポンプの本体を設置して行きます。

はい!
レバーを上下させると、地下水が湧き出てきました!
これをもって、ポンプの修理か完了です。
これにて、一件落着ですね!

まだ少しブログは続きます。
ここからが第二部です。
いきなりですが、 弓浜半島の地下水は「ヘルツベルクのレンズ」の原理で成り立っている!? です。
境港市を含む弓浜半島の畑には、必ずと言って良い程、ポンプが設置され地下水を汲み上げることができます。
なぜ、そんなに地下水が豊富なのか、以前から疑問に思っていました。

そこで、境港市の図書館に行って、調べてきました!
はい!到着しました。
ここは、境港市民の知識バンク、必ず何か良い情報があるはずです。

「弓浜半島の地下水について、何か資料はありますか?」という漠然とした問いかけをしました。
「こんな資料がありますよ。」と様々な情報を頂きました!
(図書館の方々にお世話になりました。有難うございました。)
そして、でてきたものが、「ヘルツベルクのレンズ」です。
「ヘルツベルクのレンズ」とは
海岸の地下水では、陸から海に向かって流出する淡水の層と、海から地中に侵入する塩水の層とが比重の関係で重なり合って均衡を保っている。
その境界面の深さは、淡水の比重と塩水の比重、海面から地下水面までの高さによって決定される。この関係を「ヘルツベルクの法則」という(『地学事典』)。

『新修 境港市史』からの引用です。↓
この法則に合致して、海岸地域や島に於いては、レンズ状に淡水の分布することが知られている。このレンズ状の淡水の分布状況がふつう「ヘルツベルクのレンズ」とよばれている。
美保湾と中海との海水に挟まれた弓ヶ浜の淡水層は「ヘルツベルクのレンズ」の形をなし、おおよそ次図の如き形を形成していると推測される。近い将来、具体的数値が判明していけば、レンズの形も場所ごとに明瞭になるものと期待されている。
↑ここまで引用です。
弓浜半島の地下水について、以下のように理解しました。
「弓浜半島の地下水は、流れているというものではなく、溜まっている。さらに地下水と海水は混ざることがなく、2つの層を成してる。」ということなのかなと。
誤解がありましたら、申し訳ございません。
その際は、是非ご教授願います‼

実はこの「ヘルツベルクのレンズ」による地下水は、昔から弓浜半島では綿作りに利用されていました。
それが「綿井戸」(わたいど)と呼ばれていた、綿畑に灌水を行うための溜め池です。

現在は、「綿井戸」がある畑を見つけることはできません。
この「綿井戸」が先ほど紹介した「ポンプ」での汲み上げに代わっていったのだと理解できますね。

「綿井戸」について少々↓
綿は乾燥を好む反面、生長期には水を要求する度合いが強いため、畑一枚ごとに「綿井戸」と呼ばれる池を掘り、朝の暗いうちから畑への灌水を行ったといわれています。
昔の言葉に「二百十日の昼までの花は棉になる。午後の花は綿にならぬ。」といって、八月の末までに少しでも多くの花を咲かせることが、綿の収穫量に大きく影響したようです。
そのため、綿畑への水やりは、夏の暑さの中でも欠かせない仕事であったそうです。
『境港市史』参照


このように弓浜半島は気候、水源に恵まれ、綿の栽培にとても適していた土地であったため、綿栽培の一大産地となることができたんだなぁと、改めて感じることができました。
少し歴史をひも解くと、どこかで現在と繋がっているんですね!
今回も、面倒な内容だったかもしれませんが、今後ともよろしくお願いいたします!
では、また!
フェイスブックも更新していますので、お見逃しなく!
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