こんにちは!
仲里です。
今期も、伯州綿を糸にするために、紡績機会社に出荷致しました!
ふわふわな伯州綿が収穫できました♪

今回は、『伯州綿の糸』に焦点を当てた内容となっています。('ω')ノ
そのための2.5部構成です!
(1)・綿出荷のご報告と作業諸々について。
(1)・伯州綿製品と糸について。(ブログのメインです!)
(0.5)・「私」がどうして境港市に移住したのか。(笑)
このたびも、長いブログとなっております。
何卒、よろしくお願いいたします。m(__)m
では、行ってみましょう!
初めての方に向けて~
境港市農業公社では、伯州綿の栽培、製品企画を行っています!('◇')ゞ⤴
最初に、
収穫から製品までの流れを簡単に説明しますと、このようになります。
「伯州綿栽培」(境港市)→「収穫」(境港市)→「紡績工場」(大阪府)→
「製品工場」(日本各地)→「伯州綿製品」完成!(令和二年 現在)
つまり、境港農業公社では、「伯州綿栽培」「綿繰り」の作業までを行います。(^_^)/
順を追ってみていきましょう!
最初は、伯州綿の収穫♪

綿の収穫が終わったら、水分を飛ばすために天日干しを行います(*^_^*)

その後、大型の「綿繰り機」を使用し、「綿」と「種」に分けていきます。

次から次へと、ふわふわな「伯州綿」が、出てきます♪

触れてみると、ほんのり暖かい(^^♪

綿摘め作業の時はこのような感じです。
ふわふわな伯州綿を梱包箱にギュツギュツと押し込んでいきます。

詰めているときにも、伯州綿の弾力が伝わってきます。
「ギュッギュッ。 うむ、うむ。 良し。良し。」

綺麗に梱包できたら、
「伯州綿」を糸にするために、紡績会社に発送します。
これだけ、並ぶと壮観ですね。( `―´)ノ

いざ、集荷!
しばしの別れ~( `―´)ノ
はい!
続きまして、境港市の取り組みの一つ、「伯州綿の製品」についての話題です。
(ここがこのブログのメインです!)
境港市(境港市農業公社)では、「おくるみ」や「ひざ掛け」以外にも、「伯州綿」を原料に様々な製品を企画し、商品化しています。
具体的にはブランケット、ベビーマント、タオル、手拭い、バックなどなど。

これらの製品を製造する前に、当然のことですが、「綿」を「糸」の状態にする必要があります('ω')ノ
さっようやく、ブログのメイン!
伯州綿の「糸」にクローズアップです!

伯州綿の繊維の特徴は、「太くて短い」そして、「弾力性」です!
通常の綿とどのような違いがあるのでしょうか。
では、伯州綿と外国の綿(アップランド綿)を比較してみましょう。( `ー´)ノ

見た目にも、外国の綿(アップランド綿)に比べて、伯州綿は小ぶりです。
触ってみると、その違いがよくわかります。
伯州綿は、獣毛のような弾力性があり、
それに対して、外国の綿(アップランド綿)は、繊細な柔らかさがあります。
綿の繊維を、電子顕微鏡で比べて見ると、一目瞭然!( ゚Д゚)
はっきりとした、特徴の違いが現れています。

ここから、紡績の話に移ります。
実は、伯州綿の繊維の特徴である「太くて短い」ということが、機械紡績を行うこと難しくしているのです。('_')
少し歴史的な話になりますが、伯州綿はもともと、布団や着物の中入れ綿や、弓浜絣の原料である手紬糸として使用されていたため、繊維が短いということは、特に問題ではなく、寧ろ「良さ」として捉えられていました。

しかし、時代とともに機械紡績が行われるようになり、この特徴が生産には非効率となってしまい、海外から輸入される繊維の長い綿に取って代わられてしまったのです。

機械紡績の難しさは、以下の理由があります。
機械紡績において、極端に短い繊維は、糸に紡ぐ際に糸切れの原因になるため、機械紡績には向かないのです。
そのため短い繊維は、葉ごみ等と同様に、糸にされていく段階で除外されていきます。
(除外されていく綿は「落ち綿」や「ヨロイ綿」と呼ばれます。)

機械紡績では、繊維の長さや方向を整え、糸を生産していく作業であるため、極端に短い繊維は除外される対象となってしまいます。
機械紡績において、中長繊維綿(アップランド綿)以上の綿の場合は、約1割がヨロイ綿(落ち綿)となりますが、伯州綿の場合は2~3割程がヨロイ綿(落ち綿)となります。
以上のことから、
機械紡績でまとまった量の糸を生産し、製品加工まで行っている境港市の伯州綿は、とても貴重な存在だと考えています。( `ー´)ノ
現在、機械紡績は、大阪の紡績会社に依頼をしています。
伯州綿を紡績するためには、伯州綿に合わせた細やかな機械の調整など高い技術を必要とします。
工場にお伺いした際に、
「機械調整には、熟練の経験が必要です。」
「伯州綿の糸の調整は、若手職人の育成にも繋がっています。」とおっしゃっていました。
糸にしてくださる紡績会社の方々、毎年有難うございます。m(__)m

もう少しだけ、ブログは続きます。('_')
この場を借りて、私が境港市の地域おこし協力隊となった経緯を紹介させてください。(^'^)
(後々、私の話から、伯州綿の糸・生地の話につながります。(笑))
ブログでこのようなことを書かせていただくのは、初めてなことです。
少し緊張しますが、よろしくお願いいたします。m(__)m
まず改めて、自己紹介を致します。
私は、仲里心平(なかざと しんぺい)と申します。
経歴簡単に紹介しますと、
大学卒業後→洋裁を学ぶ。→アパレル会社勤務→織物職人→境港市地域おこし協力隊(令和2年現在)
もともと洋服が好きだったことが高じ、洋裁を学び始めます。
以前、私が提案する洋服は、このような感じです。
(過去のことで、とても恥ずかしいですが・・・)

ご覧いただけるように、シルエットはいたってシンプルです。
生地や素材に拘って、洋服を提案していました。
その後、生地から直接携わり、洋服を提案したいと思い、織物職人の道へ。

山梨県で、織物の職人として仕事をしていたときに、様々な生地や素材に触れる機会がありました。
その中で、和綿で織られた布に触れる機会がありました。
それは、ストール程の幅で、おそらく手紬糸で織られていたものだと思います。
触れたときは、通常扱っている綿とは違ったので、「なんだろう?この素材は?」と思いました。
ふわっとしたボリュームがあり、何となく優しい雰囲気がしました。
表現が下手ですが、とても新鮮で、魅力的に感じました。
それでようやく和綿というもの存在を知り、和綿の情報を集めていきました。
仕事と平行して、和綿の栽培もおこないました。

昔、日本では綿が栽培されていこと、関税撤廃を機に外国の綿が輸入され、徐々に和綿は消えていった事。外国の綿(洋綿)は、綿の繊維が長く、機紡績に向いていたこと。機械で織る為には、ある程度の強度が必要であったこと。などなど。
和綿に関する情報を集めていきました。
どんどん思いが強くなり、綿柄の生地も製作してみたり。(笑)

和綿について調べていくと、
境港市では、「伯州綿」という「和綿」を栽培し、製品加工まで行っている。
ということがわかり、境港市の地域おこし協力隊となりました。
で、現在に至ります。( `ー´)ノ
「伯州綿の糸を使った生地は、どんな生地?」
と聞かれれば、
私は、以下のように表現します。
「ちょっぴり野暮ったいけど、優しい感じ。」
ものすごく感覚的な表現になってしまいましたが、ちょっとだけ小難しい理由を。
和綿の糸は繊維が短いため、糸を強く撚り上げるのは、難しいとされています。
そのため、適度に優しく糸を撚り上げることで、「ふわっとしたボリューム」が生まれます。
私が職人時代に、初めて和綿にふれたときの印象が、私には、とても新鮮に思えました。
そんなこんなで、境港に移住をしてきました!( `ー´)ノ
はいっ!
現在、そんな「伯州綿」を使用した「シャツ」を提案し、少しづつですが活動を始めています。

先月、米子しんまち天満屋で行った『伯州綿のシャツオーダー会』の様子です。

これからも精進して参りますので、活動を応援していただけると、非常にうれしいです。
以上で、私の話は終わります。
(伯州綿の糸や生地の話に、つながったと思います・・・。)
今回のブログ作成にあたり、可能な限り、わかりやすく構成をしようと心がけました。
皆さんに、上手く伝わりましたでしょうか。
少しでも『伯州綿の糸』について、ご理解いただけたのであれば、幸いです。
地域おこし協力隊として活動する中で、強く思うことは、
境港市の伯州綿事業の強みは、和綿の糸を安定的に供給できる体制を構築し、多様な製品の生産や量産が可能ということだと思います。
そして、これらの活動は、伯州綿栽培サポーターさんや、綿を糸にしてくださる工場の皆さんらの多くの方々のご尽力のおかげです!
今回は、ブログの構成上、「伯州綿栽培サポーター」さんについての紹介していませんが・・・
「伯州綿」栽培は、伯州綿栽培サポーターさんのおかげで成り立っています!
毎年、本当に有難うございます!
m(__)m

4月になりましたら「伯州綿栽培サポーター」さんの募集を行います!
その時期になりましら、また改めてブログでお知らせ致します!
では、また!
フェイスブックも更新していますので、お見逃しなく!
境港地域おこし協力隊・伯州綿フェイスブック←こちらから
