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境港市地域おこし協力隊

Author:境港市地域おこし協力隊
 
鳥取県境港市で「地域おこし協力隊」として活動しています。

伝統の特産物 “伯州綿 (はくしゅうめん)” の栽培や商品づくり、販路拡大に取り組み中。

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「それ行け!綿から糸への調査団!」


こんにちは!
仲里です。

先日、紡績工場を訪問してきました!
こちらの工場で、伯州綿の紡績をお願いしています。

「紡績」とは、
原料から糸をつむぐことであります!
綿の状態から、どのような工程を経て、糸になっているのかを調査してきました!

紡績32

紡績33

今回は、伯州綿が糸になるまで工程をご紹介致します!

「それ行け!綿から糸への調査団!」

では、その様子どうぞ。


紡績1

先ず、工場に届いた綿は、この様な大きな倉庫に保管されます。
どーーん!  ばーーん! 相当な量ですね。

紡績2

綿以外にも麻、獣毛などがたくさん積まれていました!
様々な国から、糸になる前の原料がここに集結しています。

紡績4



綿を梱包されている袋から取り出すと、こんなに膨れ上がります。
綿の種類によって、特徴は様々でこの綿は弾力性(バルキー性)がとても優れているのだそうです。

紡績6

1.混打綿工程

先ず袋から取り出された綿は、混綿打の工程を行います。
この工程は、原綿をほぐしながら、葉クズなどのゴミを落としていく作業です。

紡績7

紡績9

10m以上のとても長い機械に綿が運ばれていきます。

紡績11

綿が、ふわふわ と舞っています。
大きなゴミが落ちていきます。

紡績10

ゴミが落とされた、綺麗な綿が出てきました!

紡績12



2.梳綿工程

綿打ちされた原綿は梳綿機に送られます。
この工程は、極端に短い繊維の除去と、繊維を平行に引きそろえるために行います。

紡績17

この薄いシート状の綿を「ラップ」と言います。
「ラップ」の状態のものを収束させて、円筒状の「スライバー」を作っていきます。

紡績16

紡績14

梳綿の工程をカーディングとも言い、綿に櫛(くし)をあてて梳かしていくというイメージです。
この太い糸のようなものを「スライバー」といいます。

紡績19





ここで少し綿の説明を。

実は、同じ綿から得られる繊維の長さは一定ではありません。

紡績40

下の図は「ステープル・ダイヤグラム」と呼ばれるもので、一つかみの綿から繊維を取り出し、一本ずつ並べて、長さ順に揃えたグラフです。
機械紡績において、極端に短い繊維は、糸に紡ぐ際に糸切れの原因になるため、機械紡績には向かないのです。そのため短い繊維は、葉ごみ等と同様に、糸にされていく段階で、除外されていきます。

紡績38

つまり機械紡績では、繊維の長さや方向を整え、糸を生産していく作業であるため、極端に短い繊維は除外される対象となってしまうのです。

実は、この「繊維が短い」ことは、伯州綿の特徴の一つであります。
そのため「繊維が短い」という特徴が、機械紡績を行うこと難しくしている原因であるのです。


しかし!
こちらの工場では、伯州綿のために特別に機械の調整を行い、伯州綿を糸にしてくださっています。

工場の方々のご尽力のおかげで、伯州綿は紡績糸となり、「おくるみ」や「ひざ掛け」、さらに「手拭」等を作ることが可能となっています!
本当に有難うございます!

紡績39


ふぅー。
一呼吸を置きまして、それでは、紡績工程の続きを。




改めまして・・・ 「それ行け!綿から糸への調査団!」



ここから紡績糸になるまでには、ひたすら繊維の長さを揃え、方向を整えて行く工程が続きます。
それと同時に、糸を細く精製してきます。


3.精梳綿工程

ここでは、コーマ工程を行います
短繊維を落とし、光沢のある「コーマスライバー」を作ります。

紡績25

この工程は、より細い糸を精製する際に、行われる工程であるため、糸の種類によっては 行われないこともあります。
「コーマ糸」と呼ばれる糸はこの工程を経て精製されています。

4.  練篠工程

この工程では、ひとつ前の工程で精製されたスライバーを6本または8本を合わせて引き伸ばし、再度1本のスライバーにまとめていきます。

紡績22

紡績24

たくさんのスライバーを1本のスライバーにまとめる理由は、
機械で精製された各スライバーは、落綿の違いや太さにムラが生じるため、均斉ではありません。それをさらに均斉に整える必要があるため、この工程を行います。

紡績21

綿の筒がどんどん細くなり、繊維が整えられていきます。

紡績23

5.  粗紡、精紡工程

粗糸を引き伸ばし、さらに撚りをかけて任意の太さの糸に仕上げていきます。

紡績26

紡績28

紡績29

精紡された糸達がぞろぞろと出てきました。

紡績30

紡績された糸を「コーン」の状態に巻き上げていきます。

紡績31

はい! 伯州綿の糸ができました!
糸を作るには、こんなに多くの工程が必要だったんですね。
特に、伯州綿のような特殊な綿の場合には、さらに特別に機械を調整する等の作業があるため、より多くの工程を経て、紡績糸となっています。

今回の「それ行け!綿から糸への調査団!」の活動で、
伯州綿事業は、伯州綿栽培サポーターの皆さんや、綿を糸にしてくださる工場の皆さん、更には糸を製品に加工してくださる皆さん等の多くの方々のご尽力で、成り立っていると強く感じることができました。

皆さま、今後とも伯州綿をよろしくお願いいたします!


紡績34

今後、織物の工程なども、紹介していきますので、お見逃しなく!
では、また!

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G0! アブラムシ・バスターズ! Go!

こんにちは!
仲里です。

梅雨に入りましたね。
今回はこちらで行っているアブラムシ対策をご紹介いたします!

では行きましょう!

  G0! アブラムシ・バスターズ! Go!

後半で、アブラムシの写真が出てきますので、虫系が嫌いな方はご用心願います。(^_^;)

牛乳9

牛乳6

ここで少しアブラムシについて説明を。
アブラムシは作物に寄生し、養分を吸い取ってしまう害虫です。
カメムシ目アブラムシ上科に属する昆虫の総称で、日本には700種類ほど存在すると言われています。
アブラムシの厄介な点は、その繁殖力と「モザイク病」などのウイルス性の病気を媒介してしまうという点です。

アブラムシイラスト2

アブラムシは1か月程の寿命で、その間に世代交代を行う為、爆発的な繁殖力があるのだそうです。
さらになんと、ある程度の世代交代を繰り返し、寄生している作物がアブラムシで密集すると、羽の生えたアブラムシが誕生し、新たに寄生する場所を探すのだそうです。

以上の理由から、特に若い綿木にとっては害虫なのです。


こちらでは、アブラムシ対策に葉裏へ牛乳散布を行っています。
準備工程はこのような感じです!

牛乳1

なぜ牛乳を使用するのかと言いますと、牛乳でアブラムシの気門を塞ぎ、窒息させ、さらに付着した牛乳が乾くと収縮するため、その効果でアブラムシを圧死させる効果があります。
湿気が少なく、晴れ日が絶好の散布日和です。

こんな感じで作っていきます。
牛乳と水を混ぜて、通称「アブラムシやっつけ液」をつくります。
広い畑に散布するので、相当な量になってしまいます。

牛乳3

それをエンジン付きの噴霧器、通称「アブラムシ・バスター」に充填します。

牛乳8


準備ができたら、アブラムシが群生する畑へ向かいます。

    GO!  バスターズ!  GO!

アブラムシは葉の裏に寄生していますので、「やっつけ液」を下から噴射するように吹き付けていきます。

牛乳4

このような具合にアブラムシが葉裏に群生しています。

牛乳7

次の日、牛乳を撒布した葉の裏を確認しました。

牛乳10

少し写真では分かりづらいですが、アブラムシが収縮し、完全に動きが止まっています。
ひとまず成功ですね!

  G0! アブラムシ・バスターズ! Go!

散布後、牛乳が残り、カビの原因になる可能性がありますので、注意して観察することも重要です。

今回はアブラムシの対策方法の一つをご説明しました。
他にも様々な撃退方法がありますので、皆さんもご興味がありましたら、是非、調べてみてくださいね。

ではまた!

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間引き講習会を行いました!

こんにちは!
仲里です。

先日、間引き講習を行いました!

当日は天気に恵まれ、丁度良い風が吹く絶好の畑作業日和となりました!

間引き17

間引きとは、元気な苗を残し、育ちが悪い苗を取り除いていく作業です。
間引きは、一回で行う場合もあれば、数回に分けて行う場合もあり、その方法は様々です。
今回の間引き方法は、一例として、ご覧頂けますと有難いです。

間引き7




では間引き講習の様子を、どうぞ!


間引き25

こちらでは、一本立ちになるように間引きを行っています。

間引き24

元気な苗を残し、反対に元気のない苗はハサミで切っていきます。
ハサミで切る理由は、間引き対象の苗を引き抜いてしまうと、元気な苗の根を傷めてしまう危険性があるためです。
できるだけ根を傷めずに、間引きを行っているため、ハサミで切る方法を採用しています。

間引き19


間引きの対象の苗の一例を挙げていきますと、
👇

枯れていたり、色が悪かったり、

間引き15

葉が萎縮していたり、

間引き16

枝葉が均等に出ていなかったり、

間引き11

本葉の出が悪いものなど。

間引き12

マルチシートで栽培している綿は間引き時ですが、それ以外の畑ではもう少し間引きを待った方が良さそうです。
講習会に出席された皆さんにも、マルチシートで栽培している畑で、間引きに挑戦して頂きました。

間引き6

間引き10

皆さん、最初は難しそうにされていましたが、後半になるにつれてリズム良く、間引きを行っていました。

間引き5

間引き20

最初は「これかなぁ~」
後半は「これだな。」バツン バツン。



講習会が終わり、各自ご自分の畑へ向かいます。

間引き23

間引き9

間引き8

綿が生長するにつれ、気温も上がり、さらに雑草も伸び始めています。
特に若い苗の時には、こまめな除草を必要とします。

間引き22

間引き21

苗の周りに雑草が生えていると、雑草に栄養が取られてしまい、後々、綿の収穫の際に大きく影響を与えます!!
間引きと同時に除草作業を行うと、一石二鳥です~。


それでは、また!

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除草作業と補植作業の紹介を致します!

こんにちは!
仲里です。

皆さん、お元気でしょうか?
伯州綿は今日も元気です!

今回は、伯州綿の生長報告と、
簡単にですが除草作業と補植作業の紹介を致します!

ポット5

ここ数日、気温がぐっと上がり、早いモノでは本葉が4枚出ている苗が確認できます。
晴れたり、良いタイミングで雨が降ったりと、現在のところは天候に恵まれています!

ポット23
ポット22

それにともない雑草たちが、ひっきりなしに生えてきます。
ので、こちらもひっきりなしに除草作業を行います。

この丸いワッカがついいた道具、膝を曲げずに除草が行えるため、とても気に入っています。

ポット2

雑草が小さいうちであれば、引っかけて「ヒョイっ」って感じで、リズムを刻みながら作業が行えます。

ポット3



6月に入り、補植作業もそろそろ始まるところです。
今回の補植は、苗をあらかじめポットで育てて、芽が出ない箇所に植えていくという方法を試みております。

ポット1


今から約20日ほど前にポットに種を植えておりました!
作業風景はこのような感じです。

ポット12ポット13

こんな感じ。

ポット14

種を蒔いて行きます。

ポット15

こんな感じ。


最後に水をかけて、発芽を待ちます。

ポット17
ポット16

日を追うごとに、どんどん発芽していきます。

ポット21

どんどん成長。

ポット20

ポットに種を撒いてから約20日間後、ようやくポットの中で綿木の根が周り、土ごとスッポッと抜ける状態になりました。

ポット7
ポット8


後は適当な穴を掘り、丁寧に補植作業を行います。

ポット9
ポット10

はい! できました。

ポット11

除草作業や補植を行いながら、若い苗のチェックも同時に行います。

ポット24


その作業は、またの機会にお話しいたしますね。
ではまた!

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