こんにちは!
仲里です。
先日、紡績工場を訪問してきました!
こちらの工場で、伯州綿の紡績をお願いしています。
「紡績」とは、
原料から糸をつむぐことであります!
綿の状態から、どのような工程を経て、糸になっているのかを調査してきました!


今回は、伯州綿が糸になるまで工程をご紹介致します!
「それ行け!綿から糸への調査団!」
では、その様子どうぞ。

先ず、工場に届いた綿は、この様な大きな倉庫に保管されます。
どーーん! ばーーん! 相当な量ですね。

綿以外にも麻、獣毛などがたくさん積まれていました!
様々な国から、糸になる前の原料がここに集結しています。

綿を梱包されている袋から取り出すと、こんなに膨れ上がります。
綿の種類によって、特徴は様々でこの綿は弾力性(バルキー性)がとても優れているのだそうです。

1.混打綿工程
先ず袋から取り出された綿は、混綿打の工程を行います。
この工程は、原綿をほぐしながら、葉クズなどのゴミを落としていく作業です。


10m以上のとても長い機械に綿が運ばれていきます。

綿が、ふわふわ と舞っています。
大きなゴミが落ちていきます。

ゴミが落とされた、綺麗な綿が出てきました!

2.梳綿工程
綿打ちされた原綿は梳綿機に送られます。
この工程は、極端に短い繊維の除去と、繊維を平行に引きそろえるために行います。

この薄いシート状の綿を「ラップ」と言います。
「ラップ」の状態のものを収束させて、円筒状の「スライバー」を作っていきます。


梳綿の工程をカーディングとも言い、綿に櫛(くし)をあてて梳かしていくというイメージです。
この太い糸のようなものを「スライバー」といいます。

ここで少し綿の説明を。
実は、同じ綿から得られる繊維の長さは一定ではありません。

下の図は「ステープル・ダイヤグラム」と呼ばれるもので、一つかみの綿から繊維を取り出し、一本ずつ並べて、長さ順に揃えたグラフです。
機械紡績において、極端に短い繊維は、糸に紡ぐ際に糸切れの原因になるため、機械紡績には向かないのです。そのため短い繊維は、葉ごみ等と同様に、糸にされていく段階で、除外されていきます。

つまり機械紡績では、繊維の長さや方向を整え、糸を生産していく作業であるため、極端に短い繊維は除外される対象となってしまうのです。
実は、この「繊維が短い」ことは、伯州綿の特徴の一つであります。
そのため「繊維が短い」という特徴が、機械紡績を行うこと難しくしている原因であるのです。
しかし!
こちらの工場では、伯州綿のために特別に機械の調整を行い、伯州綿を糸にしてくださっています。
工場の方々のご尽力のおかげで、伯州綿は紡績糸となり、「おくるみ」や「ひざ掛け」、さらに「手拭」等を作ることが可能となっています!
本当に有難うございます!

ふぅー。
一呼吸を置きまして、それでは、紡績工程の続きを。
改めまして・・・ 「それ行け!綿から糸への調査団!」
ここから紡績糸になるまでには、ひたすら繊維の長さを揃え、方向を整えて行く工程が続きます。
それと同時に、糸を細く精製してきます。
3.精梳綿工程
ここでは、コーマ工程を行います
短繊維を落とし、光沢のある「コーマスライバー」を作ります。

この工程は、より細い糸を精製する際に、行われる工程であるため、糸の種類によっては 行われないこともあります。
「コーマ糸」と呼ばれる糸はこの工程を経て精製されています。
4. 練篠工程
この工程では、ひとつ前の工程で精製されたスライバーを6本または8本を合わせて引き伸ばし、再度1本のスライバーにまとめていきます。


たくさんのスライバーを1本のスライバーにまとめる理由は、
機械で精製された各スライバーは、落綿の違いや太さにムラが生じるため、均斉ではありません。それをさらに均斉に整える必要があるため、この工程を行います。

綿の筒がどんどん細くなり、繊維が整えられていきます。

5. 粗紡、精紡工程
粗糸を引き伸ばし、さらに撚りをかけて任意の太さの糸に仕上げていきます。



精紡された糸達がぞろぞろと出てきました。

紡績された糸を「コーン」の状態に巻き上げていきます。

はい! 伯州綿の糸ができました!
糸を作るには、こんなに多くの工程が必要だったんですね。
特に、伯州綿のような特殊な綿の場合には、さらに特別に機械を調整する等の作業があるため、より多くの工程を経て、紡績糸となっています。
今回の「それ行け!綿から糸への調査団!」の活動で、
伯州綿事業は、伯州綿栽培サポーターの皆さんや、綿を糸にしてくださる工場の皆さん、更には糸を製品に加工してくださる皆さん等の多くの方々のご尽力で、成り立っていると強く感じることができました。
皆さま、今後とも伯州綿をよろしくお願いいたします!

今後、織物の工程なども、紹介していきますので、お見逃しなく!
では、また!
フェイスブックも更新していますので、お見逃しなく!
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